先だって、某所で EAP を提供する企業の取締役 CFO と面談する機会があり、事業に関するお話を小一時間お伺いさせていただいたのであるが、EAP を提供する企業だけにベンチャー的マネジメントを実行しにくいとおっしゃっていたので、なるほどなと思った。

良い悪いは別にして、ベンチャーにおいてはその集団が持つ意志の可及的速やかな実行が求められ、個人の意志・問題は先送りにされがちになるからなぁ。方や、EAP は Employee Assistance Program(従業員支援プログラム)と言って、社員の個人的または仕事にまつわる問題の発見および解決のサポートが主眼で、それを通じて企業全体の生産性の向上を支援するメンタルヘルスを中心とした人事マネジメントプログラムだから、それを提供する社員にベンチャー的負荷をかけるわけにも行かず、どう折り合いをつけて行くかが難しい。

ただ、私の経験上、ベンチャー的企業において結構大事なことは、一般的な意味でのベンチャー的マネジメントとは対極に位置する、社員のメンタルヘルスケアの部分であったりするので、ベンチャー企業におけるメンタルヘルスマネジメントが行えるのであれば、自社のスタッフに対するマネジメントを通じて、自社が提供している商品である EAP を強く補完できるんだろうなぁとちょっと思った。

この EAP、いわゆる大手資本の企業に多く導入例が見られるけど、必要とされているのは個人の業務範囲が広くかつスタッフ個々に高いスキルが求められる中小企業にこそ必要な気がするので、中小企業向けにパッケージ化できれば面白いんだろうな…。

はてなダイアリー – EAPとは
EAP(Employee Assistance Program)は一般に従業員支援プログラムと訳されている。1970年代のアメリカではアルコールや薬物などへの依存が大きな社会問題となっていた。その問題は働き盛りのビジネスマンをも巻き込み、業務成績の低下や退職にまで発展するというような深刻な状況を招いていたのである。 この解決策として、アメリカの先進的な企業を中心に導入されたのがEAPである。


【参考リンク】
日本EAP協会