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静岡の西武百貨店跡に2007年春、静岡パルコがオープンするんだけど、パルコ10年ぶりの純粋な意味での新店ということでヲチ中。(笑)

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地方中堅都市の中心市街地が各所で落ち込む中、静岡は地形的要因もあってか、珍しく中心市街地に活気があるマーケット。

駅周辺には駅構内のアスティ、駅ビルパルシェ(年売160億)、松坂屋(年売300億)、伊勢丹(年売220億)、丸井(年売140億)、ファッションビル・ファイブJ等があり、商店街も飲食を中心に無印の路面店舗があったりと小振りながら活況を呈している。

一方郊外はどうかというと、JR静岡駅南側ちょっと行った所にユニーの中途半端なモール(笑)、アピタがあるぐらいで、目ぼしい郊外型モールは皆無。

北は山に囲まれ、南は日本平があり駿河湾という、かなり限定された地形の中で、中心市街地を縦断している幹線道路の一号線にそってフラットに住宅街が満遍なく拡がっており、マーケットとしては静岡駅を中心に5kmで西は切れてしまい、東は10kmで途切れてしまう。

静岡市:Wikipedia
市域面積の10%未満しかない平野部に人口の約98%が集中しており、残り市域の大半は非可住の山林である


つまり、バイパス沿いに大型の郊外型モールを作ったとしても、静岡中心街と完全に商圏が重なってしまい、郊外型モールの特徴である、足元商圏は少なくても広域からの集客で絶対的な商圏を確保するというパターンが通用しにくい地形が理由なんだろうな。

上記理由からも、政令指定都市を中心に出店開発を推し進めていくという中期経営計画を発表したパルコにとっては、所得も高く民度も高く、海や山が近く気候も年間を通して穏やかでアウトドアも盛んな土地柄に加えて、駅前中心街が生きている静岡への出店は正解…なんだろうけど、どういう MD 考えてんのかねぇ。


パルコって言うと、レディース・ヤングアダルト・エッジが効いた・感度が高い…なんつうキーワードが想起され、百貨店ほどアッパーでないけど、丸井よりはハイセンスで大人っていう、考えようによっちゃかなりの限定されたレンジで勝負してるニッチなブランドと言えなくもないからかなり立地が限定されると思う。

郊外モール等の選択肢が豊富な立地の中で、中心市街地百貨店横で差別化できるMDという構図であれば、都心型MDのパルコで勝負できるだろうけど、郊外モールも無く、中心市街にコンペティターが多数いる地方都市の中でシェアを取っていくには、それなりの仕掛けがないと差別化が図れないだろうな。

かといって、パルコという名前がついててもパルコじゃない(笑)ひばりが丘や大津、新所沢なんかの中途半端なMD構成で行くと、静岡においては伊勢丹や丸井で目が慣れている人には見向きもされないだろうし、初お目見えだからブランディング的にもまずい。(笑)

そうなってくると、下層階をレディース・ハイセンス系の都心型パルコでまとめて、上層階にファミリー対応のブランド入れてくるっつう戦略を組んでくるんだろうけど(っていうか小耳に挟んでる:笑)、都心型パルコMDの中を通して上層階へ30代・40代ファミリー層を引っ張って来れる仕掛けを考えないと、そこそこになっちゃうんじゃないかなぁ…と。(外壁面にビルボードサイン出させろよっ!とかねw)

岐阜を閉店し、本厚木も閉店を決め、静岡・浦和・仙台に新店を出店という、スクラップ・アンド・ビルドを行ってリノベーションを図っているけど、政令指定都市に出店という戦略の中で、今後どういうパルコ像を作っていくつもりなのかしばらく興味津々だな。

なぜなら、郊外型モールも例のアホみたいなまちづくり三法見直しのおかげでしばらく出店が少なくなるから、中心で出れるとこにツバつけとかなきゃならないからねー。(笑)