立場も変わるわけで。この間までは、某DVの新店に出ることなんてコスト的に全然無理で、もっぱら既存店空き区画が出店対象だったのにねー。(笑)

この忙しい12月に、箱型モールの増床計画を立て続けに持ってこられても、全然食指が動かないんですけど。だって、専門店モールが主体での施設開発(GMSも一テナント)と自分とこのGMS主体での施設開発では、どうしたって後者の方がテナントは割を食うからねぇ。とは言え、政治的な(笑)問題も絡むので、無下にも断れないところが、なんとも…。

来年は例の街づくり三法の改正で、郊外型モールの駆け込み出店が大量にあるから、ざくっとさらっただけでも新規計画モール20~30箇所は出店余地があるんだけど、ここへ来て、それに加え既存モールの増床計画もちらほら公になってきている。まぁ、どの辺が軸に動いているかって言うと、GMS 系 DV の某社系列しかないんだけどね。(笑)


リージョナル型の郊外型モールの勝ちパターンって、店面が45,000平方メートル以上で、専門店の集積が150店舗以上、核を一つにシネコンとかのサブ核をつけて広域からの集客を図るのが定番だったけど、最近は2核1モール、店面60,000平方メートル超、専門店集積200店舗超っていうのが主流になってきてて、いい加減、マーケットにマッチした場所を探すのも一苦労で開発余地もなくなってきてるなぁ。

リージョナル型郊外モールの構図は、同じイオン系列の、ルーラル立地を得意とするイオンモールと、サバーバン立地を得意とするダイヤモンドシティ、核を持たずに独自の理想を追っかけてる三井不の3強を軸に回ってて、これまではなんとなく3社3様、結果としてそれぞれ棲み分けしていたような感じだったが、今後の計画案件を見てると、その辺の線引きも曖昧になってきているし。

そこへ食い込もうとしてるのが、イオン本体やら IY やらユニーやらの DV なんだけど、モールのグレード、ブランド力を見ても上位3社とは雲泥の差があるので、その他大勢はなかなか厳しいか。ま、でも、イオン本体は、当たりはずれがあるけど(しかもはずれの方が多い:笑)、美園やナゴヤドームのような当たりのモールを作ったりもするし、ユニーは来春の前橋、来秋の大垣にできる新型モールがある程度期待(グレード感として)できる。一番駄目(笑)なのは IY かね。(笑) …戦略が違うのかもしれないけど DV としての魅力・力は一番落ちるなー。

それらに加えて、いわゆるそこそこ売っていた旧タイプの箱型モールや初期型のRSC(店面45,000平方メートル程)が、既存の売り上げ実績を背景に、コンペティターの登場で縮小した商圏を取り戻す為に増床を計画してきている。

それらがこぞって2007年に駆け込みで開発しようっていうんだから、どう考えても年間300億超売れる立地は限られてくるわけで、これだけの郊外型モール乱立状態になれば、隣の芝生(既存で300億超売ってるモールの商圏)が青く見えるのは道理なわけで、オープンしたら既存モールも含め確実に単店ベースで勝ち負けが決まってくるだろう。全部沈むって事は無いだろうしな。(笑)

そんなわけで、ここ最近の状況をなんとなーく見てると、郊外型モールの旬はとりあえずひと段落したって感じ。もう買いの時期では無いね。買ってないけど。(笑)

となると、んじゃぁ、出たくないとこも政治的な兼合いで出ざるを得ないテナントはどうすんべぇと言うと、とりあえず適当にそっちはそっちで押さえつつも、中心市街地に目を向けたりするんだよね。(笑) 近年は郊外型RSCが攻勢を極めてたので、そっちへ目が向きがちだったけど、中心に目を向けると、案外気づかれてないけどMD直せばよくなるモールが結構あるから。

某所でそんな話をしてしばらーく前から仕込みをしてたんだけど、気づいてるところは気づいているようで、どこそこもそんな感じで戦略の組み直しをしてますよーなんてバッティング話を小耳に挟むもんだから、こっちもおちおちしてられなくて、忙しくなってくるという。(笑)

そんなところへ、40,000平方メートルに満たない箱型モールの増床計画をいっぱい持ってこられてもはっきり言って迷惑。(大笑) なんだけど、話を聴かないといけないからめんどくさい。って言っても数年前までは話しを持ってきてくれるだけでもありがたかったんだけどね。

というわけで、ところ変われば立場も変わるけど、昔の苦労は忘れちゃいかんので、ちゃんと話にはつきあいますよ。出ないけどね。(笑)

 
あ、ちなみにこの悩みは、単一ブランド、単一フォーマットで展開している業態にとっての話で、立地によってブランド、ターゲットを変えられる強いMDを持ってる大手SPA、セレクトさんには関係の無い話っつうことですな、ハイ。