Airport Walk Nagoya

エアポートウォーク名古屋

3連休を利用してエアポートウォーク名古屋へ行ってきたんだけど、ここ最近見た SC の中ではすこぶる良い施設に仕上がっていた。

ダイヤモンドシティさん、イオンモールさんが確立した、2核1モール型の RSC (両翼に大型各店舗を配しサーキットモールで連結)がある意味完成されてしまった今となっては、空港施設跡を環境的に上手に利用したエアポートウォークにかなりの新鮮さを感じる。

アパレルテナント郡がある意味牽引してきたこれまでの2核1モール型 RSC がこの景況感によって失速している現在においては、こういったテーマ型の脱アパレルテナント集積 SC が今後のひとつの有力フォーマットとして確立していくんじゃないかな…。

近場のワンダーシティのリニューアル計画とバッティングして、某ヨーロッパ系ファストファッションブランドの出店見送りや、その後の景況感の悪化に伴うアパレルテナント失速、出店抑制という逆風を、結果として逆手に取った格好になったのが効を奏しているかな。もともと、テナント構成においてアパレル比率が低い計画であったっていうのもあるが。

この SC, 名古屋空港の国際線ターミナルビルをそのまま利用して SC に改造しているんだけど、最近見たSCの環境デザインの中ではピカイチ。



天井が低い所では、共通内装でファサード上部に間接照明を仕込み、共用通路部天井も意匠をしないでフラットでシンプルな形でしあげているので、天井の低さをあまり感じさせない…と言うか、かえって天井が低い分、各テナントの納まり具合が良い感じ。

天井が低いことによって閉鎖的な感じになるのを避けるために、内装規制で各テナントもオープンファサードになっていて見通しが利いて開放感があるし…アピタの衣料ゾーンも、モール側と環境デザイン的にリレーションされていて、シームレスな感じになっていたし、空港ターミナルビルという限定された適度なわかりにくさのある空間を利用して、2核1モールタイプの RSC と比較して非日常的空間の演出がなされている。

特に秀逸なのが、3階のフードコートとアミューズメントゾーン。出発ロビーだった所の吹き抜けをうまく利用して、非常に開放的な空間に仕上がっていた。更に、4階の飲食ゾーンがかなり充実しており、シネコンとの連携も含め全体感として時間消費ができる SC となっている。

それに目玉はやっぱり展望デッキ。空港機能が生きているから、普通に飛行機が離発着するシーンが見れるのは男心をくすぐる。駅から歩いてSCへ向かっている最中に、自衛隊の輸送機が下りてきたのを見た時はチビリそうになった(笑)。

これまでのモールタイプ SC は、テナントのブランド力と MD ゾーニング力(リーシング力)による集客に負うところが大きかったから、テナントの顔ぶれが固定化され、それにユーザーが狎れてしまったことによって普通で平板なものになり面白みが無くなり陳腐化してしまった。そのため、ユーザーがそこへ行く動機というものを見出しにくくなり、郊外型の RSC が失速してしまっている一因となっている…景況感のせいだけじゃなく。

反して、アウトレットモールが好調なのは、価格的なものもあるけれど、わざわざそこへ行く動機足りえるテーマ性を施設が持っているからということも言えるんじゃないかなと。

そういった意味で、非日常的な気分が醸し出されているこの施設は自分的に一押しでつ(笑)。

テナント的には、フランフランや無印、アパレルであればローリーズファームやグリーンパークスが入っているものの、ポピュラープライスゾーンの MD となっており、顔ぶれ的に所謂一線級の RSC より一枚落ちるし、MDの抜け落ちている部分(メンズが買えない)が垣間見えるけれども、その辺は今後、顧客動向を見ながら入れ替えやリニューアルで補完していけば良いので、しばらく前にモール型 SC について繊研新聞で否定的見解を述べていたユニーの前村社長さんは、そんなに弱気になることは無いと思うw。