QBハウス

  • 10分1000円ぽっきりのカットハウス。
  • 時間消費型ビジネス。
  • 1998年度ニュービジネス大賞受賞。

小遣い生活の身となってから、コスト意識(費用面というわけでなく)もあって、QBハウスを利用するようにしている。

費用面ではないコスト意識とは何か。
それは時間的コストである。
髪を切るのにこれまで2時間もかかってたのに、10分で全て終了する魅力。
これは大きい。
もちろん、時間コストが下がれば比例して金銭コストが下がるので、費用面からの削減効果の恩恵もうけてるのたが。。。と言うか、やはりこっちがメインだったり・・・。(笑)

で、せっかく通ってるのだから、店舗ビジネス的プチ考察を。
(私が利用している店舗が前提です。)

■店舗パッケージの特徴

  • 店舗面積10坪~15坪。
  • カットスペースはユニット化で5席程度。
  • 水・お湯を使用しない。電気のみ。
  • カット時間10分。

上記から下記のような考察ができる。

  • 小サイズ・ローコストの店舗パッケージとなっているので、通常の美容室と比較すると出店しやすい。(店舗の展開が早い)
  • 商業施設の中での余剰スペース等に最適。(カットスペースのユニット化により店舗面積10坪~15坪でOK)
  • 店舗の総面積が小さいので、総額面での賃料負担が軽い。
  • 賃料負担が軽いと言うことは、保証金・敷金もまた、総額で抑えられるメリットがある。
  • 商業施設内出店を考えた場合、必ずしも商業施設内の一等地である必要が無い。(目的性の高い業種)
  • 専用設備が不要。(水・お湯を使用しない)

出店しやすいという事は、当然、撤退もしやすいパッケージとなっている。

上記のように、同業他社と比較(というか、ニュービジネスモデルだが)非常に秀逸な店舗パッケージとなっているので、ハード面での優位性は高い。

次に、ソフト面(人的)ではどうなのか?

私が利用した感想を。。。

正直、最初は怖かったっす。
適当にカットされておしまい。あるいは、小学生の時に通っていた床屋的ノリなのか?と思っていた。

が、そんな心配は杞憂だった。(^_^;)

利用方法は、自動券売機に1,000円投入してカードを購入し、待合イスに座って待っていると、席が空いた順番に呼ばれるので、カット席に座ってカードをカットする人に渡します。
後は普通の美容院と同じでどのように切るかを言って、カットしてもらうだけです。

カットしながら、カットをしてもらってる人に色々聞いてみました。
ちなみに20代の若い、その辺の美容院にいそうなニイチャンでした。

■前職は?
一回7000円~かかる美容院でやってました。

■ぶっちゃけ給料どうよ?
前よりぜんぜん良いっす。(笑)

■労働環境は?
前のお店はぜんぜん休めなかったんすけど、今は普通に週休で休めますね。
残業も無いですし。
以前は営業時間が終わった後に、色々な準備や、講習会なんかがあったんんですけど、今はそういうものは全く無し。
友達とも遊べるようになりました。
ただ、一日お店にいらっしゃるお客様は100人超で、カット時間が一人あたり10分ですから、カットスピードを要求されますね。
いかに丁寧に早くカットするか。そして数をこなさなければならないから、けっこう疲れます。

■同僚の人達は?
だいたい私と同じですね。
床屋でやってた人や、同じように美容院で働いてた人ばかりです。
ある程度の腕を持っていないと、このペースについてくるのは大変なんじゃないんですかね。

そんな感じでした。

カットしてもらった感想としては、今まで3,700円程払ってカットしてもらっていたところと比べても全く変わらなかったです。

ただ、カットをしてもらえる人を選ぶことはできないので、髪形にこだわってたり、女性の人には向かないかもしれませんが。(^_^;)
とは言え、普通の20代の女性とかもカットしてもらってましたね。

コストパフォーマンスは非常に高い。

では、収支は合うのか?

前段の店員の方に聞い内容を含めて、予測してみたいと思う。


■設定条件

  • 1日の来店者:100人超(店員にヒアリング)
  • 客単価:1,000円
  • 席数:5席
  • 営業時間:10:00~20:00
  • 営業日数:25日
  • 一人あたり人件費:30万円
  • 店舗あたりスタッフ数:7人
  • 賃料:25,000円/月/坪(共益費込み)
  • 稼働率:40%

[収入予測]
■1席あたりの一日最大稼動数:
営業時間÷一人あたりカット時間=600分÷10分=60人

■店舗あたりの一日最大稼動数:
1席あたりの一日最大稼動数×席数=60人×5席=300人

■店舗あたりの一ヶ月最大稼動数:
店舗あたりの一日最大稼動数×営業日数=300人×25日=7,500人

■店舗あたりの一ヶ月来店客数:
一ヶ月最大稼動数×稼働率=7,500人×40%=3,000人

※一ヶ月あたりの収入:
客単価×来店客数=1,000円×3,000人=300万円

[支出予測]
■月額賃料:
坪単価×坪数=25,000円×15坪=375,000円

■人件費
一人当たり人件費×スタッフ数=30万円×7人=210万円

■光熱費
電気代のみ7万円ほど。

※一ヶ月あたりの支出:
家賃+光熱費+人件費=254万5千円

これに消耗品費と設備リース料等が入ってくるので、やはりだいたい300万円前後が分岐点と予測。

一日の来店者100人超が多いか少ないか・・・全社平均をホームページのデータから算出すると、来店客数÷店舗数÷12ヶ月÷営業日数=4,979千人÷182店舗÷12ヶ月÷25日≒91人となり、だいたい100人となる。
店舗規模、店舗営業年数(一年に満たない)はそれぞれ違うが、あながち間違っていないのではなかろうか。

いずれにしても、店舗コスト・客単価も低いビジネスモデルとなっているので、それなりの数が見込める場所への出店が前提条件となろう。

ビジネスモデルだけ真似した1,000円床屋が、駅からかなり離れた立地で単独出店したり、住宅街の周辺で普通の床屋を衣替えをしたりしているが、はっきりいってビジネスとしては難しいだろう。

低単価をカバーするために、店前不特定多数通行人の絶対数確保が可能な場所(集客力のある商業施設内、駅ビル、駅前繁華街等)への出店が前提条件なビジネスと思う。