白夜行 / 東野 圭吾
切なくも悲しくやりきれない物語です…。推理小説の体裁を取りつつも推理などはどうでもよく、というか中盤で露呈してしまうが、そんなものはまったく無意味で、ただ、主人公の二人の行く末を知りたく、寝る間も惜しんで読み進めても、終わりに近くなればなるにつれ、このまま物語が終わってしまうことを惜しみたくなる。
”いつでも白夜の中でしか生きてこなかった…。”
”わたしは暗闇に生きていたの。でも怖くなかった。白夜のように暗闇を照らしてくれる存在がいたから。”
ラストが切なくもまた悲しい…。
これ、私も移転前に感想をネタにしたんですよねぇ。読後感があまりに切なくて。(ほとんどログを移動しなかったので海に沈んでますけどw)
例え歩いてる道が暗闇でも、それが弱い光だったとしても、お互いが信頼し合っているのなら、お互いを照らせる太陽みたいな存在にならなれるんじゃないかって思うんですよね。全て明るくする事はできなくても、お互いの周りだけでも暖かくできるような気がするんですよ。
そう言う人がいるのに、それでも暗闇へ自ら進んでいく主人公が可哀想で…。
うまく説明できないんだけど、とにかく悲しかったんです、はい。
>もそさん
おお。読まれてたんですねー。^^
再感想あげしてくださーい。
うーん、どうでしょう・・・。この主人公が生きる意味は彼女にしかなく、彼女もまた生きる意味は彼にしかなかったと思います。そこには、どんな余人の入る隙も、法や常識なんぞ超越した、二人だけの持つ聖域という白夜こそが彼らが生きることのできた場所なのだと思います。
彼らの出自から考えるに、彼らの中には出会ったときから、すでに予定調和としての確信というものがあったのでしょう。それは、生とは自ら切り開くものである。そして、何者にも自分らの生を邪魔はさせないという強い確信が・・・。
だから、このラストは主人公の男にとって当然のことであったろうし、主人公の女にとって悲しみはあったけれども、どこかで覚悟していた結果だったのだろうと思います。
私は、この主人公の男に羨望を感じました。
そして、残された片割れの女性のこの先を気に病みました。
なぜなら、彼女が生きる理由というものが無くなってしまったから…。
もしこの物語に先があるのなら、やはり、彼女の死というものによって完結するのでしょうね。
白夜行
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