【注意】ほんのちょびっとネタばれあり。

イビサ (角川文庫)
イビサ (角川文庫)

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村上 龍
角川書店
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ここんところ、禿げしく活字離れだったので、久しぶりに私の個人的な本棚ブッククオフへ。(笑) そうなんですよ。小遣い生活の身では新刊本を買うのもままならないので、私が購入する本は基本的に105円です、はい。(きっぱり)

で、何を買ってきたかというと、エロいのやらエロいのやらエロいのやらエロいのやらエロいのやら(ry・・・じゃなくて、村上龍の読んでないやつを5冊ばかり・・・ってやっぱエロいやつだった。(笑)

村上龍・・・私にとって、この人の書く作品は一種特別な存在です。

本っていろいろな読み方、入り方があると思います。読み進んでいくうちに、一気に読みきってしまうたぐいの本だったり、その行間をじっくりと味わい租借しながら読み進んでいく本であったり。いずれにしても、ほとんどの場合自分の目を通して、書かれている言語を記号としてとらえ、それを頭で意味づけし、自身の経験と照らし合わせるという形でその本に書いてあることを理解していく処理を行うと言う作業が読書だったりするわけですが。つまり、目で活字を追うよりもコンマ何秒かの時間的なずれを伴って理解を進めていくように思います。

でもですね、村上龍が書く文章を情報処理する場合はまったくもって違うんですよ、私の場合。もちろん感覚的な部分でですが。厳密的には上記のような作業を無意識下で進めているんでしょうけど。

なんて言うんですかね、ダイレクトにシンクロしてくるというか・・・理解する前に直接的に入ってきてしまうんですよ。微妙に鳥肌が立って、ぞくぞくして、逝ってしまっているような感じで。今まで読んだ村上龍の大部分の本がすべてそんな感じでした。

このイビサも読んでいる間、完全に思考が停止してて軽く逝ってる感じで、ただただ先へ進みたくて進みたくて気がついたら読み終わってました。都合3時間もかからなかったと思います。

この本は、マチコという女性が自分と向かい合う旅に出て、最終的に両手両足を切断されてディスコの象徴となって生きるという破滅的な物語です。そこには暗さがあるのでもなく、明るさがあるのでもなく、ただマチコの魂の軌跡があるのみで、私は、否定的な意味ではなく何も感じることができませんでした。

村上龍氏のあとがきを読んで、なぜそう感じたのかわかったような気がします…。

自分と向かい合うことは危険なことだ。
麻薬や宗教や芸術やセックスは、自分と向かい合うのを避けるために存在している。
自分は何者か?などと問うてはいけない。
自分の中に混乱そのものがあるから、ではなく、まったく何もないからだ。
内部と外部という言い方はもう既に嘘なのだ。存在するのは関係性だけ、あとはすべてのっぺらぼうの表面だけだ。(著者あとがきより引用)

そこには何も無いからなんでしょうね。