クズ
タイトルを日本語訳すると、俺のことか?ってなぐらい身もふたも無い単語なんですが。(苦笑)
文庫本の奥付を見ると、1994年2月10日の第一刷。読み上げたのが、先週だったので、2005年12月10日ぐらい。。。足掛け13年に満たない月日をかけて読了。
こんなに手強い本はありませんでした。文章がまずいわけでもなければ、プロットが悪いわけでもなく。むしろ、あとがきで宮本輝氏がチェーホフを引き合いに出して、「シンプルであることの猥雑さ」と賛辞を贈るほどの素晴らしいできの本だと思います。が、なぜだか、私の中にまったくと言っていいほど入ってこない。読みかけては挫折し、読みかけては挫折し、、、。
私の中には、この感性はまったく無いのでしょう。
女流作家にいま一つ手が伸びなくなったのは、この本がきっかけだったように思う。そしてうちの奥さんもまた、山田詠美は読みにくいということだったので、必ずしも、男と女の違いと言うわけでもないみたいだし。不思議なもんだ・・・。何が響かないのか、読み上げた今もよくわかりません。
で、私の中の山田詠美は、この本と、アラーキー全集の第2巻「裸景」の表紙を飾った、ホテルの一室で窓を背景に上を脱ぎかけてるトップレスにガーターベルトの女でしかなかったりするのです。