ららぽーと
平日夕方のアイドルタイムでも結構な賑わいを見せている(夏休みっていうのもあるが…)TOKYO BAY ららぽーと。
1981年オープン、そごうとダイエーを両翼に配しその間を200程の専門店モールで繋ぐという現在のRSCのトレンド、2核1モールの走りであったが、そごうの民事再生、ダイエーの撤退を経て、110,000m2、540店舗、年商500億超の核無し一大専門店モールとなっており、来年にかけてごにょごにょっ(リリースされてないので内緒:笑)としたことも計画されている。
仕事なりプライベートなりで行っていつも感じるのだが、成功している要因は、都心型のナショナルブランドの若干下あたり、良く言えば保守的、悪く言えばちょいダサ(笑)のMDを上手くリレーションしているところにあるんだろうなぁと。イトキンさんにしても、UAさんにしても、個人的な偏見ではあるが、都内の感度の高い立地にある店舗よりもMDを変えてるような気がする。要は千葉人はこんなもんでいいでしょ?みたいな。(笑) ま、売れ筋を投入してるはずだから、地域の感度にあわせてるんだろうけどね。
と言うことは、広大な施設面積に大量のナショナルチェーンブランドを投入し、大きさとしての吸引力によってコンペティターの追随を許さないというわけではなく、地域密着型の王道を行っているショッピングモールなんだろう。
で、これがあるからららぽーとはRSCのトップブランドである事は間違いないのだが…。
この2006年秋から2007年の春にかけて三井不動産商業施設シリーズがある。
・2006年秋 LAZONA川崎
東芝川崎事業所の跡地に、店舗面積70,000m2超・300店舗からなるショッピングモール、2007年春竣工予定の667戸からなる住宅棟からなる駅前開発。
・2006年11月 ららぽーと柏の葉
つくばエクスプレス柏の葉キャンパス駅前に、店舗面積40,000m2超・170店舗からなるショッピングモール。
・2006年秋 アーバンドック ららぽーと豊洲
石川島播磨跡豊洲駅前、店舗面積66,000m2超・200店舗からなるショッピングモール。
・2007年春 ららぽーと横浜
鴨居駅近くNEC横浜事業場跡、店舗面積93,000m2・300店舗からなるショッピングモール。
果たして、どれだけ売れるんでしょうねぇ…。
立地規模にしても鉄板と言われてるのが、ららぽーと横浜。足元商圏が厚く、規模も大きいので、この案件は間違いないショッピングモールで、どんなことがあっても取りに行くというのが各小売店さんの共通認識であるが、これに出るにはその他の案件がもれなくどれか付いてくるという。特に柏の葉。(笑)
川崎はターミナル駅前立地と言うこともあり、その他の施設とはちょっと正確が違うし、元々川崎駅前は駅ビルBEや三菱地所のミューザ、地下街ショッピングセンター、ヨドバシカメラなど、商業集積地となっておりトラフィックも多いから、業種業態のばらつきはあると思うが、そこそこの売上げを見込める立地だろう。
でも豊洲と柏の葉はねぇ…。豊洲は近年の都心回帰によってマンション開発、住宅開発がさかんに行われているので、オープン当初は苦戦するかもしれないけど、湾岸から城東地区にかけては道路状況もわりかしよく、これほどの規模のコンペティターはお台場地区と銀座エリアぐらいなので、立地の正確も違うし案外うまく行くかもしれないと思う今日この頃だけれども、積極的に取りに行く立地ではない。
それに輪をかけてやばいのが柏の葉。一駅先の野田線とつくばエクスプレスのターミナル駅おおたかの森駅前には、高島屋グループのデベロッパーブランド、東神開発が開発している高島屋とIYの食品とシネコンを核としたショッピングモールのオープンが2007年春に控えている。柏駅前には高島屋、丸井、そごうが控えている一大商業集積地がある。16号沿いには元日商岩井が開発したモラージュ、イオンのマックスバリューを核としたイオンタウン、その先にはかなり古いがジャスコノア、6号沿いには今年の春に開いたイオン柏、更には独立系デベがショッピングモールを開発しようとしている噂もちらほら。
そして国道16号と国道6号が交差しており、常磐道柏ICもあるので、この付近は慢性的に渋滞状態。ここだけは出店したらダメっていうような絵に書いたような立地。(笑)
2003年に開いたららぽーと甲子園も苦戦しているようなので、TOKYO BAY ららぽーとに騙されがちであるが、郊外型ショッピングモールのデベとしてみついふは、案外ブランド先行でまだまだのような気がしている今日この頃なんだけどどうでしょうねぇ。プライド高くて融通利かないし。(笑)
それにしてもこの一連のシリーズに全部付き合う単一ブランド小売が1業態だけあるらしいが、大丈夫なんでしょうかねー。アメリカの状況もあるし、今後業界規模は縮小傾向にあると思うんですが…。業界内での勢力図的にシェアを取って行く必要があるのかな…。