負け犬 / 志水 辰夫
大写しの写真をトリミングして大胆に切り出したような…あるいは居合いの一閃。行間は隙間無く凝縮され、語られる物語の外側にその解釈を得る…みたいな(笑)。
余韻というか後に残る叙情感というか、短編はやっぱりこうじゃないとねぇ…。伊集院静の匂いを感じたので私の中では繋がるところがあるんだろうなぁ。
多感な思春期に ” 天に星。地に憎悪。南溟。八月。わたしの死。 ” に代表される体言止めを多用した叙情溢れる志水節でやられた口なんだけど、短編の方が最近は気持ちいいやね。
…歳っちゅうことやな。