カーライル―世界最大級プライベート・エクイティ投資会社の日本戦略
鈴木 貴博
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 67,440

この間、民事再生したミキシングがマスターリース契約を締結してた商業施設 “BIGHOP” は、カーライルが組成しているファンド案件となっており、収益をあげるという側面からも、施設存続へ向けてミキシングがマスターリース契約を解消し、受け皿を作る方向で動いてるんだが、そろそろそのスキームが確定する頃なんだけどどうなったんだろうなぁ。

それにしても、このスキーム、導入したとしても、投資に対するリターンが不足する、即ちファンドへ支払う賃料の逆鞘現象は依然解消されないだろうから、スキームの実効性自体、懐疑的にならざるを得ない。

そんな、素人ながらの憶測もあって、損を確定し売却…っていう線もあるんだろうなと思っていたけど、本書を読む限りでは、カーライルの持つ企業哲学というものが、”長期に続く本質的な企業価値をどう生むか” ということであったので、ちょっと考えを改めてみた。即ち、このスキームはほぼ実行されると踏んで良いんだろうなぁ…。

ハゲタカ(上) (講談社文庫)
真山 仁
講談社
売り上げランキング: 7,197

元々、ファンドという単語から想起されるイメージが、日本においてはネガティブなものであるので、気をつけてはいても、どうしてもそういう色眼鏡で見てしまうのは否めないが、真山仁のハゲタカで、バイアウト・ファンドというものに関する予備知識をある程度仕入れていたから、そういう思考にもなるんだろう。要は影響されやすい性格っていうことで(笑)。

まぁ、それはそれとして、この手の本は大抵、良い事しか書いてないのでアレだけど、その部分を割り引いたとしても、現在国内で蠢いている(笑)ファンドというものの一側面を理解すると言う意味でも、一読に値する本だと思うから、このエントリーのリンクを踏んでリアルエステート関係者は購入するように(笑)。