Nora
良いも悪いも、写真は時間を止めてリアルな瞬間を映し出す。周辺の状況もフレームから外れた所は写らないし、前後の時間を想像する事はできても、過去を写し取ることは出来ない。ましてや未来なんか言わずもがな…。

同じ様に、片目がほとんど見えなくなってしまっている子猫が 5 匹。カラスにやられたか、人にやられたか…。中には、両目まで見えにくくなっている子も。逆に、目が開いたばかりのような年端も行かない子猫も…。

捨てられた飼い猫だったのかもしれないし、生まれた時からのら猫だったのかもしれない。本来なら母猫が近くにいるはずなのに、その気配すらない。都会の中の公園の片隅だったから、餌を取りに行って車にひかれてしまったのかもしれない。

そばに近寄ると、気配を察して足にまとわりついてくるほど、まだ警戒心なんかも持ち合わせちゃいない。

のら猫は気ままで自由で幸せなんかじゃない。過酷な環境の中で生きて行かざるを得ないのが現実。年齢、経験も含め、この子達が生きて行くのは難しいだろう。

かと言って、正直、私に何が出来る訳でもないし、するつもりもない。何度も来れる様な場所でもないし、毎日合えるわけでもない。

ちょっとでも安全そうな近くの植え込みの中へと子猫達を移し、何かすっきりしないまま、家路についた。