アバクロ…高すぎ。
写真の Abercrombie & Fitch は昨年、仕事でアメリカへ行った時に買った何でも無いパーカーなんだが、確か 70$〜80$ ぐらいだった記憶が…。しかるに、今日見て来た銀座で売っていた似た様なパーカーは12000円ぐらい。
デニムは約28000円、T シャツは約8000円。その他諸々、総じて本国の値段の 1.5 〜 2倍ぐらい。何ぼ何でも高すぎやしませんかい?旦那。
5年ぐらい前に入って来てたら、この価格も通ったかもしれないが、この景況感と、ユーザーも海外や通販でアバクロ体験しているから、価格的にちと厳しいだろう。
本国では、ここ何ヶ月も昨対20%超売上を落としてるから、海外展開で成長戦略を描くとアナウンスしてるけど、この価格設定で果たして売れるんだろうかねぇ…。
せっかく日本一号店に来たので、何か買って帰ろうと思ったけど…買う気が失せた(笑)
や、好きなんだけどね…アバクロ。
上の写真に出てるリストバンドは Diesel で、ネックレスは moussy と RODEO CROWNS。髪ゴムは moussy 。なぜに持ってるかはwおいとくとして、これらのブランドって、ブランドが体現する内容がはっきりしていて、とても好き。そう言う意味で、アバクロなんかと相通じる所がある。H & M や FOREVER21 なんかのファスト勢では絶対に表せないんだよね…そう言うの。
なので、是非ともアバクロさんには頑張ってもらいたい(笑)
んで、アバクロ一号店はどうだったかというと、ストアデザインはアメリカと全く同じで、ブランドポリシーを貫き通しまくっていたのは好感。晴海通りドトールの辺りまで香水の匂いが漂っていたしw ただ、1プレートが狭すぎるのは駄目。アバクロの世界観は出てても、買うモチベーションにはならない。正直あの暗さで見て回るのも嫌気が…人多いし。
入ったのは夜8時ぐらいで、入場規制による待ちが10数人ぐらいだったので、数分待っただけで入れた。入ると、エレベーターで 強制的に 9階(たぶん:笑)7階へ上げられる。そっから12階11階へあがるのが結構しんどかったw
フロアの構成は、上層階がレディースで、下層階がメンズとなっており、それぞれ何フロア使っているかは…めんどくさくて数えませんでしたwwww
何より、12層もあるから、どこに何があるやら一見ではさっぱりわかりません。エレベーターは 1F から 9F の一方通行運用しかしていないので、買い回るには階段を使わなきゃならないし、正直疲れた(笑)
さて、アジアの最初のフラッグシップストアのオープンについて、向こうのニュース・エントリーを見つけたので、参考までに抜粋。
■ Abercrombie & Fitch Creates Stir in Tokyo : Lulu’s Couture
The Ohio-based retailer, known for its racy advertising and preppy image, has contemplated making a foray into the Japanese market for at least four years. The retailer even had its own Japanese subsidiary for a brief time in 2005 before ultimately liquidating the company and parting ways with its head executive, Toshiaki Tashiro.
そうだった。一回日本法人作ってたんだよねぇ。4年かけてオープンかぁ。やっぱり4年前に出てた方が…。
It is almost certain the Ginza store will be A&F’s most expensive to build, well over the $18 million to $20 million spent on the London flagship, industry sources estimated a couple of years ago when the firm unveiled a preliminary sketch of the building.
建築コストは、アバクロのフラッグシップストアの中で最も高いらしい…。当初のスケッチで1800万$から2000万$かぁ。日本マーケットというよりは、アジアの旗艦店としてだからなぁ…そんだけ力が入ってるんだろうなぁ…。
According to Prod Co. Ltd., a real estate consulting company working with Abercrombie, the American retailer is eyeing potential store sites in Tokyo’s Omotesando and Shinjuku districts as well as Osaka, Nagoya and Kobe. Prod also said A&F is planning to open its first Hollister stores in Japan next year. The A&F spokeswoman said she could not confirm plans for any additional stores beyond the Fukuoka unit.
銀座を仕込んだのは、リーシング会社の株式会社プロッドで、そこ曰くアバクロは「大阪・神戸・名古屋・表参道・新宿の出店候補地をリサーチしており、また、来年にはホリスターもオープンする」らしいが、福岡以外は全く考えていないとアバクロのスポークスウーマンに否定されてる…と。
表参道の某所、ドタキャンしたもんなぁ(笑)。福岡以外は当面は無い…んじゃないかな?わからんけど。
最後に、UA の重松社長と、BEAMS の設楽社長のアバクロに対するコメントを適当訳(笑)
以下、重松社長。
Osamu Shigematsu, president of United Arrows, said he thinks the brand’s “incredible buzz” and affordable prices will work well in Japan — to a certain degree.
”うるさい BGM とこなれた価格は、ある程度日本で受入れられるでしょう。”
“I’ve never purchased anything there, but the cutting and textile washes are done well. Many people who shopped at luxury stores and select shops might move over to A&F,” he said. “However, I don’t think it will reach the explosive sales of fast fashion.”
“私は一度もアバクロを買った事はありませんが、カッティングとダメージ加工は良いですね。 ラグジュアリーショップやセレクトショップで買い物をする多くの人が、アバクロへ流れるでしょう。でも、ファストファッション並みには売れないと思います。”
以下、設楽社長。
You Shitara, president of Beams, argued Abercrombie’s popularity with Japanese shoppers, cultivated when they traveled to the United States, might be past its peak.
” アメリカへ旅行して、アバクロのファンになった日本の買い物客にとっては、人気のピークは過ぎているかもしれない。”
“I think it will sell for sure at first, but I am not sure if it will continue or not. I think its arrival in Japan might actually be a little too late,” he said. “I do think it will have some influence in the market around it, however.”
“最初は確かに売れると思うが、それが長続きするとは思えない。日本に上陸するのが遅すぎたと思う。しかしながら、日本のマーケットに何らかの影響を与える事は確実だ。”
アバクロって言うんですか・・・・(最近知りました・・・・)
なるほど・・・
もし、このプライスで成功すれば、新しいマーケティングメソッドの成立となりますね。
高級ブランドほどには高額ではないがファストブランドほど安くもない。
ファストブランドが飽きられてしまった結果のカウンター(反作用)市場でも狙っているのでしょうか?
カウンター市場は既に成長をはじめていると思うのですが・・・・・
最近ZOZO-TownのテレビCMにはチョット驚きました。
いくらテレビのスポット料金が安くなったとは言え、あの楽天ですらなかなかやらないテレビCM
ですから、一介のファッションモールがなんで?と思ってしまいます。
CMではアローズやビームスがテナントインしている事を訴求しています。
なるほど・・・・ブランド・オン・ブランド戦略ですね?(百貨店のブランド戦略と同じです)
ファストブランド(マスプロダクト)はリアル店舗で、ラグジュアリーブランド(ロングテールプロダクト)
はECが今後の主力チャネルとなるならばラグジュアリー系は街中には現れない。という事でしょうか?
いやいや、ビームスだってアローズだってブランドの礎はリアル店舗です。
つまり本当の意味でフラグショップなのかも知れません。
もしアバクロがブランディングはリアル店舗で販売はECでと考えているのなら、それはそれで
新しいメソッドだと思います。(ハイテック&ハイタッチって奴ですかね?)
あぁ、そんな事より我楽さん、
質問が3つほどあるのですが?(良いですか?)
①SANYOが81年の上場以来初の赤字を計上しましたね?(何を感じますか?)
②ビクトリアシークレットってなぜ日本参入をしないのですか?
③ユニクロって言うブランド名はアバクロを意識したのですかね?(なんのこっちゃ?)
相変わらずのお粗末振りに呆れて下さい。
雪舟
雪舟様
こんばんは^^
ご連絡遅くなり申し訳ございません。
アバクロは、WASP(笑)なブランドで、キャンパスエイジの若い男女をターゲットとしたヴィンテージ風アメリカン・ライフスタイル・ラグジュアリー・カジュアルで、人種差別的雇用を行い、何度も訴訟を受けているブランドです。
なので、この価格設定は、ある部分では頷けます。安易なファストの流れへ身を投じる事無く、本国アメリカでさえ、既存店20%超割れの状況が長く続いておりますが、ブランドポリシーを愚直なまでに追求する姿勢は尊敬に値します。
カウンター市場というよりは、アイデンティティの変節を嫌っていると言う事でしょうね。
そして、当然、そのファストじゃないマーケットもいずれは息を吹き返してくるという思いが、同様の各ブランドは持っていると思います。
EC に関して言えば、確かに成長を続けて来ているマーケットです。ただ、それでも、一ブランドの売上は、リアル店舗の数店舗分。パーセンテージにすれば、恐らく、1割〜2割では無いでしょうか。
そう言った意味では、主力チャネルという捉え方はしてないと思います。それよりも、EC のメリットは、販売管理費が大幅に削減できるので、利益をあげるエンジンになると言う事では無いでしょうか…。
で、3つの質問…これはまた…難解なご質問を(笑)
1
SANYO のイメージはうーん…ブランドのマス化・低価格化により競争力が無くなってしまったんじゃないかと思います。元々、デジタルカメラの OEM 供給元としてトップシェアであるように、高い技術力を持っている会社であったのに、そこを愚直なまでに追求するのではなく、コンシュマー向けへ広く浅く商品を供給する総合家電化した所に問題があったのではないでしょうか?
戦略をコンシュマーへ変換するのであれば、同時に、マーケティング戦略もきちんと組み立てないといけなかったのでしょうが充分にアイデンティティを創造する事無く、結果、どうしても安い家電会社的イメージになってしまい、サンヨーのブランド力が陳腐化してしまったんでしょう。
時代の流れと言うのもあったのでしょうが…。
アバクロにも通じますが、ブランドポリシーを愚直なまでに貫き通した上での、選択と集中がこれからの時代に必要な事だと思います。
もちろん、ブランドポリシー自体の点検は常に必要ですが…。
2
ビクトリア・シークレットは、昨年・一昨年と向こうのトップ、役員クラスが、日本での展開を視野に、日本マーケットの調査に何度か訪れています。
恐らく、ファストによった、今の日本マーケットの状況を見て、ペンディングにしているのでは無いでしょうか(ヤングの市場が冷え込んでいる等)
また、日本人の体形の問題や国民性の問題、それとコンペティターの問題(ピーチジョン)もあるんじゃないでしょうかねぇ(笑)
アバクロもそうですが、今、外資勢が見ているのは、中国マーケットです。思うに、日本マーケットは、中国マーケットを狙う上での、とっかかり程度にしか彼らは考えてないように思います。
アバクロの一号店が銀座で、二号店が福岡というのは、完全に、アジアの観光客を狙った出店戦略に思えます。
3
ユニクロさんのユニクロは、Unique Clothing です…確か。今となっては、柳井さんの信念をきちんとあらわした言葉になっているように思います^^
以上、お粗末でした。
我樂さん。
お忙しい年末にも関らず、ご回答下さり誠にありがとうございます。
なるほど、実際にアパレルの世界に身を置いている方だけあって的確だと思いました。
実は一昨日の朝9時から客先でプレゼンテーションがありまして・・・・・(土曜の朝9時って何だよ?)
半切れ状態で望んだその帰りに銀座に寄ってきました。
大体11時半ぐらいでしょうか?
アバクロには既に100人くらいの列が出来ていて入場制限をしていましたね。
H&MやZARAもセールで対抗していました。
いや、そんな事はどうでもよくて問題は銀座通りを歩いている殆どがチャイニーズなのです。
特に酷いのはLVで「ココは中国か?」と思えるくらいの状態でした。(午前中ですよ)
買ってる!買ってる!物凄いチャイニーズパワーを感じました。
我樂さんの回答と、その風景が丁度良く重なり合ったので私的には納得です。
あと、ご質問させて頂いた3点なのですが、sanyoとは三陽商会のことなんですけど・・・・・(汗)
●「バーバリー」などの服飾ブランドを展開する三陽商会〈8011〉は11日、2009年12月期の連結業績予想を下方修正し、営業損益が60億円の赤字(従来予想は0円)に転落する見通しだと発表した。同社が営業赤字になるのは、連結ベースでの開示を始めた1981年以降で初めて。
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つまり、海外のラグジュアリーブランドが国内で衰退していくなか、中国消費者の上陸で購買地点としての日本ブランドを再利用する海外ブランドの商魂たくましさが伺えるのではないでしょうか?
今から30年くらい前、フランスのLV本店に日本人観光客が大挙して押し寄せては店中の商品を買い漁っていた事をいま、中国人が日本でしているのかも知れません。
地元のフランス人にはかなり顰蹙だったようですが・・・・・
そしてアバクロですが、アバクロというブランドは消費者が、かなり成熟してこないと認知されない
ブランドのように感じてしまうのですが・・・?
H&MやZARAにも中国人はいたけどそれほど多くなかったのです。
確かに情報のスピードは30年前とでは比べものにならないくらいです。
アバクロが福岡に出店するのが中国市場を狙っているとすれば、いささか早すぎるのではないでしょうか?
ビクトリアシークレットはその辺に躊躇しているとも考えられませんか?
雪舟
# 雪舟様
あははwすみません。なぜに電気?と思ってたんですが、三陽商会でしたか…。
ノーマークだったもんで(苦笑)
えーと、三陽商会さん、百貨店チャネルが主体ですよね?百貨店不況の影響をモロに被ったのでは?
バーバリーをエイジやsex によって上手く切り分けて上手に展開されていましたが、ファスト勢の台頭により、ヤングが売れなくなって来ている現状があります。
ファッションは楽しみたいけど、お金は無いというのが今の若い世代だと思います。その世代がどこへ流れて行っているかというと…やはりファストじゃないかなと。
この間、赤いカード発行している所(笑)のバイヤーと話をしていたのですが、準郊外は好調で、中心が不調、理由は、ヤングが動かなくなっている。との事でした。
百貨店チャネルの不振+ヤングの不振が、赤字転落という結果に繋がっているのではないでしょうか。
#つまり、海外のラグジュアリーブランドが国内で衰退していくなか、中国消費者の上陸で購買地点としての日本ブランドを再利用する海外ブランドの商魂たくましさが伺えるのではないでしょうか?
おっしゃる通りですね^^
アバクロさんは、どうもショールーム的な考えのようにしか思えません(笑)
日本のマーケットとしての魅力が衰退してきているのでしょうね。
アバクロさんが中国を狙うのは早すぎないんじゃないでしょうか?むしろ遅すぎるような気もします。
と言うのは、ZARA にしても、H&M にしても、ユニクロにしても、既に中国マーケットに進出しています。
おっしゃる通り、アバクロの世界観は消費者が成熟していないと通用しにくいと思いますが、既にブランドとしては一定の層(アッパー)に充分に認知されていますからねぇ…。アメリカのアバクロで大量に商品を買っているお客さんも中国の方が多かったですから。
一点、中国本土自体への出店をまだしていないのは、ライフスタイル系ブランドがまだ浸透しにくいというのは持っているかもしれませんね。
ラグジュアリーカジュアルを指向しておりますが、マスを相手にする商売となっているのは変えられませんから…。
そう言った点では、おっしゃる通り、ビクトリアシークレットも躊躇しているのかもしれませんね…。