Nikon
さて、Nikon Df が発表されたわけだが… うーん、旧来からの非Aiレンズを使い続けている、写真を一枚一枚じっくりと撮る的な銀塩スタイルの Nikon ユーザーをデジタルへ移行させるための戦略的プロダクト…ってとこかなぁ。

EVF が載るとばっかり思ってたウチとしては少々肩すかし(笑) サイズ感は上の写真の Nikomat ぐらいになるんでちょうど良いんだけどね。

ってなわけで、以下つらつらと感想なんぞを。


小型軽量、フルフレーム、EVFが次世代のデジタルカメラ(本来の意味でのカメラのフルデジタル化)を定義するキーワードである事は既定路線で、そこに商機を見出している SONY が先頭を走っているのは、元々の出自がカメラメーカーでは無い事からくる柔軟性と DNA として持っている進取の気性、さらには、コミットするべきユーザーが少ない(カメラメーカーとしては新進という意味で)という為であろう。要は失うものが少ないという優位性がある。

そのような背景から出てきたのがこれまでのミラーレスとは一線を画す α7/7R とすると、元来からのカメラメーカーで、マーケットをリードするニコキヤノがそれに対する答えをどう提示してくるかが興味の尽きないところであった。Nikon Df の噂が出た時に、Nikon としての次世代に対する回答の一つがそれかと正直期待していたところがあるのだが…。出てきたものは、小型軽量・フルフレームセンサーという部分で間違いなく競合する商品ではあったけれど、性格は全く違ったものだったねー。

Nikon Df, カメラの内容としてはいいと思うし、オールドな Nikon ユーザーをデジタルに移行させるという観点から考えたら、レトロチックかつダイヤルたくさんな仕様も納得が行く(デザインは別w)けど、次世代のデジタルカメラの最初の一歩が小型軽量・フルフレーム・EVFだとすれば、そちらの方向性のカメラでは無かったという事。

要は既存ユーザーの底上げの為のカメラ。

あくまでイメージ論ではあるが、コンサバで地味かつ伝統とユーザーを重んじる社風からしたら一足飛びで次世代まで駒を進めるのはまだまだ難しいのかもしれないね…ま、そういう Nikon のアイデンティティは嫌いじゃないけどw ただ、せめて、ボディ単体で20万切るぐらいの価格設定で出しれくれればまだ競争力があって良かったかな。

フルフレームセンサー=所謂ハイエンドなハイアマチュア、プロ系一眼の部類(α99、D800、D4等)は、価格設定的にコンシュマーに売りにくいという側面もある為、郊外型家電量販店での取り扱いはついぞ見かけた事がなく、商売的にフルフレームセンサー=高スペックでハイアマチュア・プロ向けという一種特別なカテゴリとして棲み分けがなされていたのがこれまでだったと思う。

その隙間を突いてマーケットに穴を開けようとしているのが α7/7Rで、つい先日郊外型家電量販店で α7/7R の予約受付が行われているのを見て、やばい商品が出てきたなと思った。

何をもってして成功と言うかはあるけれども、コンシュマーを制する事ができるのであれば、ニコキヤノの牙城に食い込んでその勢力図を書き変えていく可能性はかなりの確率で起こりうる事かもしれないな…と α7/7R に対する Nikon Df という軸で見て思ったり…と。だって、どう考えても、Nikon Df より α7/7R の方が売りやすいし、コンシュマーに刺さるもんね。Nikon Df の販路がどの程度になるのかはわからないけど。

とは言え、実物見て触って Nikon Df が欲しくなる可能性はあるので、まぁ、まずは実機実機(笑)