アンダーグラウンド (講談社文庫)
村上 春樹
講談社
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先日、麻原彰晃に死刑判決が出たので再読。

この本は、著者、村上春樹が、サリンが撒かれた日に本当に何がおこったのかを62人の関係者に丹念にインタビューを重ね、リアルを提示したものである。

あの事件はそもそも何だったのだろう。
嫌悪感とともに一抹の不安と魂の共振を感じるのは私だけであろうか?
絶対的に許される行為でもなければ、存在でもないのは確かであるが・・・そこには、誰もが持つ魂の負の部分が象徴的に表出されているように感じてならない。

マスコミによって演出されたドラマよりも、本質を読み解く鍵は当事者の言葉にしか無いであろう。

麻原の死刑による完結したドラマではなく、未来永劫終わることの無いリアルな現実がそこにはある。