なぜそんな所に出店するの?的な店舗をよく見かける。


いつも帰りがけ夜7:00~8:00の間に車で通りかかる所にもそんなラーメン屋を見かける。
少し前(一ヶ月?)にオープンしていたのだが、上記の時間帯に客が入っているのを見たことがない。


店員はいつも客席に座ってテレビを見たりしている。
店構えは、間口も広くチェーンっぽい造りで見た目きれいな入りやすいラーメン屋なのでよほどの事がない限り、入りづらい店舗というわけでもない。


でも、お客が入っていない。

そのラーメン屋がある場所は、エリアとしてはそこそこの居住人口を抱える場所であるが、駅からはかなり離れており通行人はほとんど歩いていない。
すぐ近くには12時間交通量が4万台以上の大幹線道路である国道があるので、車での来店を見込む立地なのだろう。


なぜ客が入っていないのか。

下記店舗配置図をみながら考えてみる。


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【店舗へのアプローチ】
まず、店前道路Aだが、片側一車線通行で路肩も無い道路となっており、しかもご丁寧に中央分離帯(ガードレール)で仕切られている。
車一台が通るスペースだけの道路となっているので路上駐車ができない道路である。


次に店前道路Aの反対車線からのアクセスはどうであろう。
中央分離帯の切れ目が店舗より少し先にあるので、そこでユーターンをすることは可能となっている。

が、しかし・・・一回でユーターンできるスペースが無い。何度か切り返してユーターンが可能となる。

店前道路Aは、幹線へと抜ける生活道路となっているので、それほど交通量は多くないがそれでもわざわざユーターンしてまで・・・と思ってしまう。

つまり、店前道路Aは車でのアクセスがしにくいところなのである。


【動線】
店前道路Aは幹線道路である国道へと抜ける道路と周辺居住者の生活道路となっているが、集客装置(駅や商業施設)へと抜ける動線では無いただの通過道路である。


【視認性】
店前道路A進行方向からの視認性であるが、ちょうど物件手前に街路樹があり、店舗自体が視認できない。
夜間であれば、店舗の灯りが見えるので、なんとなく何かがあるとわかる程度の視認性である。
店舗看板は店舗間口にはついているが、道路からの視認を考慮したものは何もついていない。
よって、店舗の直前まで行かないと、そこにラーメン屋があるとはわからない。


進行方向逆側からの視認は国道よりの進入となるが、交差点から少し入ったところに物件が位置するため、曲がりしなには店舗が視界に入ってこない。
店舗が確認できるのはやはり店舗直前までとなってしまう。


物件の二次アクセス道路である国道からの視認性は、店前道路Aの中央分離帯(ガードレール)が邪魔して見えない。
国道反対車線からの視認も物件手前のマンションが邪魔をして見えない。

視認性が良い物件とはとうてい言えない。


【商業性】
物件周辺には同様の飲食店や物販店がまったく無く、ボリュームとしての商業エリアが形成されていない。
この場所へ来る必然性が無い。



こうして見てくると、このラーメン屋の立地の良い所が全く考えられない。
そこへ出店した理由があるのかもしれないが(例えば家賃が異常に安い等)、いかにコストが安かろうとも売上の上がらないところで商売するメリットは何であろうか・・・?
味で客が呼べると思っているのだろうか。
確かに味で客が呼べる店であれば立地にこだわる必要は無いのかもしれないが、何もマイナスから商売をスタートする事は無いではないか。


と言うか、あまりにも立地を考えなさすぎ。
いつまでもつか、そのラーメン屋を暫くヲチしてみようと思う。