パーフェクト・ゲーム (ハヤカワ・ミステリ文庫)
ハーラン コーベン
早川書房
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ニューヨークでスポーツ・エージェントを営むマイロン・ボライターのシリーズ6作目。

ライフスタイルや環境設定は現代でも中味は古典で、久しぶりに読んだけど、レイモンド・チャンドラーを発祥とするハードボイルドの系譜を脈々と受けついでいて安心して読むことができる。

ある意味保守的な性格を与えられている主人公のマイロン、その良心に相対する負の部分、魂の片割れとして配されている相棒のウィンザー・ホーン・ロックウッド三世、マイロンの仕事上の相棒、キュートで強いエスペランサ。

まるでどっかで読んだことあるような登場人物達(笑)だが、あちらと違って、まだ主人公は自己の内面を完結させていないから、シリーズとして陳腐化してなくて良い。ただの劣化コピーなんかじゃなく一級のエンターテインメントになってて面白いしね。

人物設定からの憶測でしか無いが、当然パーカーを意識しつつその轍を踏もうとは思っていないだろうから、今後このシリーズをどう展開し収束させていくかが興味深い。

2000年に刊行されたシリーズ7作目「ウィニング・ラン」以降、6年ぶりにシリーズ最新作が刊行されているので彼らがどう成長(シリーズ内でも6年の月日が流れているよう)してるか早く読みたいんだが、ハヤカワさんとこの刊行予定には入ってないので出るんだろうかねぇ…。amzon uk のレビュー平均が 4.5 と言うことは、期待を裏切らない出来なんだろうけど。

洋書、買ってみるか…。