Kobo Touch がやって来ましたよと。
19日発売の楽天 Kobo touch, 予約していたのが発売当日の昨日に届いたので、インプレッションならぬ極私的な感想をつらつらと。
まずは前提として、何で買ったかというと、完全に、価格が安かったからという事につきるw 税込7,980円に対し、手持ちの楽天ポイント1,610円引きで6,370円。更に、プラチナ会員なので、予約キャンペーンで3,000ポイントバック、実質3,370円での購入だった。そうじゃなくても、買ったかもしれないけれど、ポイントを駆使して安く買えるというのが背中を強く押す動機にはなったと思う。
一応、本読みなんで、電子書籍いいなぁとは思っていたけれども、正直、買ったことがなかった。その理由としては、業界が端末によって囲い込みがなされてしまっている状況下で、肝心の端末が決して安いとは言えない価格だったのが、もうひとつ踏み切れなかった…というのが正直な所。端末自体は、Android タブレットを持ってはいたので、電子書籍の購入余地はあったんだけれども、タブレットで本を読むというのもしっくりいかなかったのもまた、その理由の一つでもある…重たくてお手軽じゃなくて目が疲れる=読みにくかったので。
Kobo touch をセットアップしての総評としては、今現在流通している紙のモノクロ書籍をそのまま置き換える最適解は、やっぱり eink を使用した電子書籍リーダーなんだなと言う事。まだ、デフォルトでプリインされてた青空文庫の太宰をサクッと眺めただけだけれども、何より紙の質感と変わらない感じで画面が読みやすいのが良い感じ。所謂、バックライト液晶のタブレットでは表現できない質感。そういった意味で、単純に本を読むという事だけに限定するのであれば、コストパフォーマンスも高く(すぐ元がとれる)、買い推奨。
ただし、eink ディスプレイの特性を理解した上での話ではあるが (笑)
eink ディスプレイは何なのよ?液晶とはどう違うのよ?というと、eink は“基材面にコーティングされた透明なマイクロカプセルの中に、帯電した白と黒の粒子があり、電圧を掛けて顔料粒子を移動させることで表示”されるもので、“紙と同じく反射型の表示で、180度近い視野角、新聞紙より高いコントラスト、暗い室内や直射日光の室外など照明条件に左右されない視認性を持つ”為、液晶に比較して目が疲れにくく個人的実感として非常に読みやすい。
更に、通常は通電無しで画面描画が保持されており、書き換え時=ページ捲り時とかに通電する方式なので“通常の反射型LCDに比べて1/10程度の電力消費となり” Kobo touch の場合、1回の充電で最長1ヶ月使用ができるという航続距離の長さがある。
その反面、電子ペーパーの代表的な表示技術の電気泳動方式における応答速度が遅いため、これだけスマホやタブレットが普及している現状においては、その反応の悪さに確実にストレスを感じるであろう。また、個人的なイメージだけれども「タカラトミー せんせい」のような動きが高速で行われてる見たいな感じなのでw、動画やスクロールなどの画面遷移がおこる WEB 閲覧に関してははっきり言って向いていない。
更に、UI においても iPhone が先鞭を付けたユーザーエクスペリエンスが一般的かつ標準となっているため、操作性に関しても戸惑いを覚えてストレスを感じるんだろうな…と。それらの点をひっくるめて使えない端末だな…との評価を下す人も出るだろう。
そして、この事は、この Kobo touch に限らず、Kindle を代表とした eink ディスプレイを採用している電子書籍リーダー全てに当てはまるのは間違いないと思われ。Kindle 触った無いけど (笑)
そういった部分を理解した上での、eink ディスプレイを使った電子書籍リーダー購入…でないと、後々後悔すると思いまふ。要するに、Kindle もそうだと思うけど、Kobo touch は何冊もある新刊本や文庫本や漫画の単行本を一冊に凝縮できる文庫本。今現在流通している紙の書籍をデータに置き換えたものを読む為のツール。それ以上のものでもなければそれ以下のものでもない…と言う事で。
そうなると、楽天が付けたこの Kobo touch における戦略的価格は非常に素晴らしいと思いますー。電子書籍がもう一つ普及しない背景には、タイトルの少なさという根本的な問題とは別に、国産電子書籍端末の価格の高さと言うネックがあったので、気軽に電子書籍を買うにはハードルが高かった様に思う。Android タブレットや iPad で読めるとは言っても、あっちは汎用品で読書の為だけのツールではないので、自分の経験で言えば電子書籍購入というモチベーションには至らなかった。
それが、この価格で電子書籍端末が買えるとなると、とりあえず買ってみようという事になるし、買ったら、読書の為のツールなので、必然的に電子書籍へと目が向く為、買っとくか…と言う事になる。利用は頻繁にさせてもらってて何だが、楽天や楽天の三木谷さんが好きか嫌いかは何とも言えないけれどもw、楽天は偉いなとw。恐らく間違いなく今年は電子書籍元年になるんだろうねー。Kindle の発売も控えている事だし。
後はどれだけタイトルが揃ってくるか…だね。早く、早川書房関連の電子書籍化ならないかなぁ。
さて、この Kobo tuch, 大きさは6インチで重さは185g, ちょうど文庫本ぐらいの大きさと質量。手元にあった、文庫本「巡洋艦サラマンダー (ハヤカワ文庫JA―航空宇宙軍史 312)」にかぶせるとこんなもん。
ちょうどすっぽり隠れる感じで、思いのほか小さくて、されど小さすぎずという感じ。筐体は悪くは無いが価格なり…かなとは思うけれども、背面のラバーっぽい素材感のグリップがよく、重さも相まって、片手で持って長時間読み続けても、それこそ、文庫本と同じ感覚で疲れなさそう。
Wifi 付いててブラウザも入っているので、こんな風に Web ブラウジングも可能だが、先に書いた通り応答速度の問題があるので、はっきり言って実用的では無い。おまけみたいなもの (笑)
それよりも、問題は、周辺のベゼルが液晶面より一段高くなっているので、ソフトウェアキーボードを出して文字をタイプする時、両端のキーが異常に押しにくい事。これもはっきり言って実用性に欠ける。そう文字を打つ事は無いとは思うが、こっちはソフトウェア的にキーボードの幅を狭くする等で改善できる筈なので、アップデートを希望したいなぁ。
これの良い所は、microSD の外部スロットが付いている所で、早速手持ちの PDF を読み込ませたのがこれ。この PDF ファイルはメーカー側が用意しているものなので、きっちり目次も見れて、目次から各項目へページ遷移できる。表示した感じもデフォルト・フォーマットと変わらぬ視認性で良し。
んじゃ、手持ちの自炊したエロ漫画はどうかなと言う事で、jpg を zip で固めたファイルを放り込んでみたら、そちらは表示されず…orz あれ?と思って、ググったら拡張子を ComicBookzip 形式 (.cbz) に変更すれば良いとの事だったので、変更したら難なく表示。ファイルの置き方は、microSD にフォルダを切ってその中に放り込んだので、フォルダを切って整理しても問題なく表示されると言う事で。
ただ…難点は、ファイル名を日本語にしていると、Kobo 側でのタイトルが?????表示になる。ソフトウェアが2バイトのファイル名表示に対応していない(読み込みは普通にする)だけだと思うので、こちらの方もソフトウェアアップデートで改善されたらなぁ。
…と、以上、ざっくりした感想を書き連ねたけれども、重ねて言うけど、読書の為という限定した範囲においてのみ買う必然性のある端末で、そこだけに限ってなら、買い推奨。外部スロットも付いてるので自炊本も読めるしネ。電子書籍の世界へ足を踏み入れるのに最良のエントリー機という位置づけですなー…Kindle が発売されたらどうなるかわからないけど…と言う事で、本当の所は Kindle が日本で出るまで待ち推奨…かな (笑)