オールドボーイ
オールド・ボーイ 1―ルーズ戦記 (双葉文庫 み 18-1 名作シリーズ)
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土屋 ガロン
双葉社
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対立の構図があまりにも細分化され曖昧となってしまっている現在では、あちら側とこちら側の定義はあまり意味を成さないのかもしれない。
ここで狩舞麻礼氏が語る対立の構図は、根は同じ者同士が行き着いた先、そしてそのプロセスの相違による対立であり、相手が存在することによる自身の喪失感を拭い去るには相手の消去しかないという自身の存在をかけた戦いであり、対立の境界線そのものが曖昧である。
外部に敵と言うものを設定しにくい状況においては、内へと向かわざるを得ない為だと思うが、そのことによって物語自体は極めて私的な超局地的なスケールとなっている。
それでも、自分自身の存在と寄って立つ基盤を、徹底して問いかける狩舞節は健在ではあった。