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蚊トンボ白鬚の冒険 / 藤原伊織

蚊トンボ白鬚の冒険蚊トンボ白鬚の冒険

ひょんな事から奇妙な能力を持った蚊トンボ白鬚(シラヒゲ)に頭の中へ侵入された若い水道職人・達夫の冒険活劇…なんて言ったら、ファンタジー・ハードボイルドっぽいノリになるんだけど、読み手の感情移入をあざ笑うがごとき虚無感、感情移入と言う言葉がある意味ナンセンスな人物造詣、蚊トンボ白髭と主人公・達夫のやりとりがユーモラスを感じて良いはずにも関わらず全く明るさを感じさせない物語のトーン、そして、それらの中にもある種の優しさが垣間見える筆致はまごうかたなき藤原伊織節の物語である。

この大いなるマンネリズムが作品を排出していくことによってどう変化して行くかがある意味楽しみだったんだけどな…と。


秋に墓標を / 大沢在昌

秋に墓標を秋に墓標を / 大沢在昌

主人公の龍が入れ込む意味がわからん。ケインは良いキャラ立ちしてたのに生かしきれてない。CIA や公安や殺し屋なんかを配する割には動機或いは対象が希薄すぎ。

物語の作り手としての力量は織り込み済みだから、出てくるキャラクターは魅力的で、ストーリーの破綻は無く、最後まで読ませるが…。

はずれ。


ファイナル・カントリー / ジェイムズ・クラムリー

ファイナル・カントリーファイナル・カントリー

久しぶりに新刊で買ったけど、たけぇよ!文庫。(泣)


ミロ・ミロドラゴヴィッチ・シリーズの4作目。こいつがアメリカで刊行されたのが2001年。1作目が1975年の刊行だからシリーズ4作にして26年の歳月。ミロも初登場の”酔いどれの誇り”で39歳だったのが、本作でとうとう還暦を迎えることに。その愚直なまでに頑なな行動規範は年齢を経ても変わらないが。

ジェイムズ・クラムリーはチャンドラーの私生児とは言いえて妙。

第一作 酔いどれの誇り (1975)
第二昨 ダンシング・ベア (1983)
第三作 明日なき二人 (1996)

1作目当時の文庫価格って400円ぐらいだったと思うが、高くなったなぁ。俺が還暦を迎える頃には今の倍になってるんだろうか。本という物自体が別のメディアになってるかもしれないけど、紙を捲るという行為を含めての本だと思うので紙メディアはいつまでも残ってて欲しいものだ。

携帯の画面でちまちま読む小説なんて、消費するためだけに生産された使い捨ての何かにしか思えない俺は時代に取り残されていく運命なんだろうけどね。


烙印の森 / 大沢在昌

烙印の森烙印の森 / 大沢在昌

ふむ。アンドリュー・ヴァクスだね、これ。佳作。

ハイテク機械の改造マニア「福耳」=マッドサイエンティスト「モグラ」
ニューハーフのボディガード「シェリル」=男娼「ミッシェル」
BAR「POT」=ママウォンの中華料理店「性交園」
犯罪現場を専門に撮り続けるカメラマン「メジロー」
片腕の元傭兵「マーク」
静謐なるキリングマシン「フクロウ」
フクロウを狙うマリーンの教官「L.T」

出てくるのはプロ。アウトローでは無く、アウトサイダー。

“アウトサイダーっていうのは、やくざじゃない。プロだ。犯罪かもしれん仕事を、本業としてやり、しかも組織にはいっさい属していないような人間たちだ。自分以外にはいっさい心を許さず、過去も未来もない。しかもアトウロウとアウトサイダーのちがいは、仲間がいないってことだけじゃない。法律を犯しつづければ、アウトロウには誰でもなれるが、アウトサイダーには、それだけじゃない、別の理由が必要だ。”

 
最近、忙しくて本を読むモードに無かった。このぐらいだったらさくっと読めていいね。

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無頼の掟 / ジェイムズ・カルロス・ブレイク

無頼の掟無頼の掟 / ジェイムズ・カルロス・ブレイク

2006年このミス海外編4位だし、ノワールだし、かなり期待値高かったんだけどな…うーん…。


プロット悪くないし、ストーリーも悪くないし、登場人物の造詣も悪くない。そう、悪くないんだけど…俺的に決め手にかける。

ペキンパーワイルド・バンチガルシアの首ウォーレン・オーツゲッタウェイテルマ&ルイーズ、エトセトラ、エトセトラ。

いわゆる破滅型ロードムービー的キーワードが何の衒いも無くちりばめられていて、その手の物が好物だった俺としては、間違いないアイテムだと思ったんだがなぁ。どうもノレなくて途中斜め読み。

や、ほんと、悪くないし質も高いし、作家としては一級品だと思う。このまますぐ映画が撮れそうなぐらいの完成度だから、逆に俺的に面白くないのかなー。想像力があまりかきたてられないっつうことで。


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